SWEET HOLIC

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アルテール・エゴ  

ジャンル 選択肢なしノベルゲーム(ちょっぴり伝奇風味)
公開日 ?
使用ツール Nscripter
容量 解凍前-196MB 解凍後-227MB
総プレイ時間 約8時間
サイト名 冬の妹 冬の妹
管理人 末黒野芒(すぐろの すすき) さま

***ストーリー***
時は戦乱渦巻く永禄六年。所は信濃の木曽山脈。
目と鼻の先にありながら長年接触を拒み続ける、キとフセガミという二つの里があった。

キの若き首領である鍔倉千雅也(つばくら ちかや)とフセガミの首領の息子、矢車野分(やぐるま のわき)。
対立する二つの里の青年達は、とあるきっかけから言葉を交わす。

二つの里の融和という共通の目標を掲げた二人は、時とともに本物の兄弟のように絆を深めていくが……

(サイトさまより転載)


***キャラクター***
鍔倉 千雅也(つばくら ちかや)
19歳。主人公。父の急逝により若くして首領となった青年。責任感が強く、真面目で気取りのない性格の持ち主。一見落ち着いて見えるが、時々天然が出る。甘党。
鏑木 青枝(かぶらぎ あおえ)
19歳。千雅也の侍従にして幼なじみ。子どもっぽく負けず嫌いで、口と手が同時に出る。千雅也に対して過保護。五郎太とは親友同士。
陣内 五郎太(じんない ごろうた)
19歳。千雅也の侍従にして幼なじみ。由緒正しい医者の家系である陣内家の長男。理性的で大人びているが、冗談はきちんと解する。 つまり、やるときはやっちゃう。職業柄、命を軽んじる者を決して許さない。
上総川 朱人(かずさがわ あけひと)
26歳。千雅也の叔父。キにおいて鍔倉家と双璧をなす上総川家の、十四人異母兄弟の八番目の五男坊。親戚の中では一番千雅也に信頼されている。悪ふざけの権化のような、いい加減な洒落者。少し変わった嗜好の持ち主らしいが……?
矢車 野分(やぐるま のわき)
17歳。主人公。フセガミの首領矢車嵐(やぐるま あらし)の息子。千雅也に行き過ぎた尊敬の念を抱いている。素直で、良くも悪くも真に受ける性格。わりと気が短い。妹の雁が音を溺愛している。
矢車 雁が音(やぐるま かりがね)
15歳。野分の妹。温厚で控えめだが、少しお茶目なところもある。兄よりしっかり者。家事全般が得意。密かに好きな相手がいるらしい。
不知火(しらぬい)
19歳。野分に絶対的な忠誠を捧げる侍従。通称ぬい。孤児だったところを野分の父である嵐に拾われ、以後矢車兄妹のお守り役に徹してきた。性格は真面目で寡黙で心配性。野分が千雅也と接していることを懸念している。

(サイトさまより転載)


感想は↓より

***感想***
実は結構以前にDLしていたゲームなんですが、サイトさまにプレイ時間が『約8時間』とあったのでなかなか手を出せずにいたんです。が。「何でもっと早くプレイしなかったんだ!」と、後悔してしまうくらいのゲームに久しぶりに出会いました!
キとフセガミという2つの里の対立と争い、融和を願う心と憎しみの心の葛藤、などが余すところなく表現された一大長編です!
ただこちらのゲームをプレイするにあたって、注意するべき点がいくつか。
◆残酷描写がふんだんにあってごろっごろ人が死んでいくので(結構容赦なく)、そういうのが大丈夫な方でないと確実にプレイは無理です。
◆効果音多め。特に人を斬ったり斬ったり斬ったりとか。「ぶしゅっ、ばしゅっ、どばっ」は標準装備です。
◆性的な描写もあります。エロメインではないので全体的にはあっさりめですが、たまに露骨な表現あり。
◆BL要素があります。歪んだ主従関係もあります。一部ヤンデレ万歳です。でもやっぱりそれメインなゲームではないので表現はあっさりめ。
全年齢対象ゲームですが、個人的には15禁レベルかと思いました。
これらの要素が大丈夫なプレイヤーさんには絶対オススメです!


第一話 夏木立
キャラクターの立ち位置、2つの里の関係などの状況を理解する為の序章といった感じ。キの4人組(千雅也・青枝・五郎太・朱人)の日常が楽しい♪ボケツッコミな応酬が小気味いいです。生業が「暗殺業」なんて思えないほど普通の里なんですよね、そういう部分は。
2つの里のこれからを愁う千雅也と野分の交流も微笑ましかったです。野分がいじりがいのあるワンコ属性でかわいすぎ。てゆーか、BL的雰囲気が漂いまくってますよ。本人たちは無自覚っぽいけど(笑)。

第二話 ほころび
キと何ら変わらない明るく楽しいフセガミの里の日常。フセガミもキも、自分たちの里の中では平穏でいい人たちばかりに見えるのに(この際職業は置いといて)。「絶対このあたりから何かがおこる!」と思わせるような描写が緊迫感を出していました。2つの里の均衡が崩れた原因では、「やっぱり…」という思いと「え!?」という思いで半々だったかな。襲いかかった悲劇がどうにも痛かったです。昔のままではいられなくなってしまった2人、特に変わらざるを得なかった野分の変化がつらい…。

第三話 追儺の夜
戦闘描写がすごい!こちらのゲームはキャラクターがかなり多いのですが、それぞれ特色があってちゃんと「自分の色」を出していたんじゃないでしょうか。攻める側と攻められる側の攻防、そして目が離せない展開。面白すぎ!緊迫感を醸し出しつつ、湧き上がる高揚感や残酷な心情も織り込んでありました。
憎しみと怒りに身を焦がしつつ、それでもどこかで「千雅也を信じたい」と思う心が残っている様子の野分の変貌がちょっと悲しかったです。あんなに素直で明るい真っ直ぐな人間だったのにね。

第四話 落花狼藉
フセガミで三人官女と呼ばれる飛白・真砂・蜜葉と、キの朱人・五郎太・鬼火のサシでの闘い!いや~、戦闘描写が熱いです。三人官女は殺戮を楽しむ殺人狂なんですが、彼女たちの能力に対しどう対応して戦うのかが見ものでした。
特に朱人はカッコよかったなぁ!!ここで朱人の嗜好が役に立つとは。それぞれの闘いでの相性や闘い方の個性の出し方の表現がストレートで、プレイしていて状況が脳裏に浮かぶようでした。曲とたまに挿入されるスチルがシナリオを盛り上げてくれて、なんだか心臓がドクドクと脈打つ感じがおさまらなかったですよ。

第五話 君がため惜しからざりし命さへ
フセガミとの対立を少しでも緩和させようと動く千雅也。それを分かっていても自身の中で煮え滾る気持ちを誤魔化せない鬼火。鬼火の過去と心情が哀しいです。あの状態で鋼線を使う壮絶さが凄かった。千雅也は相手のことを考えて行動しているように見えて、その実逃げている部分が卑怯だと思いました。

第六話 チカヤ
千雅也については伏線バリバリあったしネタバレもそこそこあったので想像ついたんですが、2つの里の対立の根幹に関しては予想外。うまくいかないものだね…。一方的ともいえる戦闘シーンと、野分の心情の変化の描写はさすがでした。ここにきてもどこか迷いのある野分は人間らしくはあるんですが、野分がとった行動にもここに至った原因がある訳ですよ。要するに、まだまだ考え方が甘い。でも抱えている人の死が退路を断っているから進むしかない。しかも傍には不知火。うわ~、悪循環だ☆

第七話 涙火出処
ここらへんから不知火の本性がちらほらと。初登場からそういう気はしてたんだけど、やっぱりそうか。野分に対する態度はただの従者のラインを超えてたもんね。ともすれば立ち位置が逆転する危険性を孕んだ主従関係がやたら際立つ展開でした。ハンパないっす。障子越しに気を昂ぶらせていたっていうのも、変態さんに片足突っ込んだ問題行動だよね!あ、片足どころじゃなくてもう頭の先まで浸かってるのかも。そんな不知火に執着された野分に同情するよ…。
不知火に関して張られた伏線の意味は何を示すのかなぁ。

第八話 彼岸花
今まで逃げてばかりだった千雅也が初めて自分という存在と向き合い認めることで、ある意味進化。今まで小憎たらしかった散華也が無性にいい奴に見えました。実際いい奴だったしね。散華也が信じて欲しいと語った言葉はこの争いの火種ともいうべききっかけを揺るがすもので、それがまた気になってこのストーリーにのめり込んでしまいました。
でもそれよりも強烈な印象を残してくれたのは朱人です。嫌悪すら感じていた相手と命を賭けるほどの恋情は凄まじかったですね。お互いこうなるまで譲り合わないし気付きあえなかったなんて、意地っ張りにも程がある!だって10年越しの想いなんですから。

第九話 随身、ふたり
…泣けるっ!何でこんな展開に~っ!!
キの青枝と五郎太、フセガミの久鉄と文殊郎は似た感じの2人組みなんですが、こちらのゲームの戦闘シーンのほとんどはキ側の視点で語られているし、キャラクターの描写もキの方に重点が置かれてる印象なので、どうしてもキ側に感情移入しがちです。だからここで一言言いたい。
「ちくしょうっ、文殊郎め!!!」
いや、キャラクター全体でみたら決して悪い奴じゃないし、むしろ好きなタイプなんですけどね。
千雅也(散華也)が知っている事実を早く皆に告げていたら、これは防げてたかもな~。

第十話 アルテール・エゴ
ヤンデレ大暴走。歪んだ男の妄執は際限なく膨れ上がって、毒を撒き散らして周囲を突き落とす…確かにこの争いに関してはこの男から始まってますが、更に突きつめればキの血がそれを呼び起こしたともいえるんだよね。被害者といえなくもない。さらに大元といえる存在が既に死んでいるというのもやるせない。ただ決してわかりあえないくらい卑屈に歪みきっちゃってるから同情のしようもないんですけどね。

最終話 東の空が白む頃
「やっぱりこういう形でしか終わりを迎えることは出来なかったのかなぁ」とは思ったけれど、やっぱり泣いたっ!
でも!確かに千雅也にとって野分は特別な存在かもしれませんが、しかしもうちょっとその気持ちを青枝や五郎太に割いてくれてもいいのでは?ちょっとあんまりじゃないかと思うんですよね。幼い頃から共に過ごしある日を境に打ち解けた3人(千雅也・青枝・五郎太)の気持ちに、そこまでの温度差があったなんてちょっと思いたくなかったかな。
終わり方としては、今までの展開と盛り上がり方からして多少安易だったことは否めませんが、『通ってきた道とは違う可能性』を示唆してくれて「ほっ…」とした部分もあります。
これからその『可能性』を掴み取って欲しいですね。


全体的な印象としては、『争いと憎しみと慕情と濃いキャラクターの中でもまれて成長していく千雅也と野分のストーリー』みたいな感じです。千雅也はこの戦いを通して自らを見つめなおし成長しますが、「これでもか」とばかりに打ちのめすような事件ばかり起きる野分の波乱万丈さはまた別格かと。

設定に関してはかなり細かく考えられていて、シナリオに深みを与えていたんじゃないでしょうか。
例えば『キは精錬された暗殺集団であり仕官する主を持ち、フセガミはならず者集団で人に従うことを良しとしない』という2つの里の特色とか、もっと細かい部分だと『キの部隊』については、明け烏(あけがらす)・朧月(おぼろづき)・薄氷(うすらい)・枯園(かれぞの)・杜若(かきつばた)・百舌鳥(もず)・火取虫(ひとりむし)の七部隊あるとか、キャラクターの設定なんて特殊能力考える必要があるキャラ人数考えると感嘆するしかないです。

こちらのゲームの魅力としては、キャラクターが各々『色』を持っていて、ちゃんとそれを生かせていた部分が大きいと思います。特に青枝と五郎太に関しては、鳴海の場合千雅也より印象が強いんですよ。
千雅也の場合野分以外に執着心を持っていなかった部分が少なからず影響して、人間味に欠けたイメージが強いんですよね。それを補うのが野分なんでしょうけど。
野分は「千雅也は特別」感を出しつつ自分の周囲に存在する他キャラに対して全力投球なので、親近感を持ちやすかったです。
他脇役さんたちも、個性が強いのに突出して悪目立ちすることなくシナリオを彩ってたんじゃないでしょうか。これらのキャラをまとめ上げてストーリーを展開させた手腕に脱帽です。

気になった部分も少しあります。
視点変更が曖昧で「今、誰視点?」と戸惑うことが何度もあったこと。特に第十話が顕著でした。これはシナリオにのめり込みにくくなる一因となる気がします。
フセガミ側のキャラにもう少し描写(バックグラウンド的なもの)が欲しかったこと。なんかフセガミの中枢に位置する脇キャラが不憫すぎて…。文殊郎と久鉄はもちろん、特に師匠が存在感薄すぎ。
システム的にはセーブスロットが少なかったこと。でもプレイ中は不便でしたが、クリア後にシーン回想が可能なのでいくらかは解消されました。

クリア後はシーン回想と音楽鑑賞が可能です。
しかし!
何故CG鑑賞モードがないんだ~!ないんだ~!ないんだ~!
いやもう、クリア後にスチルを見るのを楽しみにしていただけに、このショックは計り知れない…。


タイトルの【アルテール・エゴ】とは、ラテン語で『もう一人の自分』という意味らしいです。
それを頭に置いてプレイすると、また違った印象を受けるかもしれません。
大変面白い、最高のゲームでした!

Posted on 2010/01/14 Thu. 22:17 [edit]

category: 一般向 和風

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